あこがれドレス ~地味子な私がプリンセス♪
第二章 どきどき試着室 お姫様ドレス
「ほら、早く着替えてみなよ!」
「む、無理です! 私なんかがこんなの……」私は必死に首を振った。
けれどクラスメイトたちは容赦なく背中を押し、気づけば家庭科室の奥にある簡易更衣室へ押し込まれていた。
ドレスが腕に渡される。淡いシャーベットピンクに包まれた布地が、蛍光灯の下できらきら光っていた。
(かわいい……) 思わず心の声がもれた。
いや、ドレスがかわいいのであって、私が着こなせるわけじゃない。
そう自分に言い聞かせながら、震える手で袖を通す。
布が肌に触れた瞬間、ひんやりとした感触に息を呑んだ。
胸元には細かなレースが幾重にも重なり、淡いリボンがちょこんと飾られている。
スカートは何層ものチュールとフリルでふくらみ、歩くたびにさらさらと音を立てた。
パニエが仕込まれているのだろう。
裾には小花のモチーフが散りばめられ、まるで花畑を歩くみたいに軽やかだ。
肩口から流れるリボンが背中で結ばれていて、結び目が大きな蝶の羽のようにひらひら揺れる。
袖口に縫い込まれた細かなレースは、まるでお菓子のアイシングのように繊細だった。
なんとか着ることができて、鏡の前に立った私は、しばらく自分だと信じられなかった。
――これ、本当に…私?
地味で目立たないただの女子高生。
なのに、鏡の中には、柔らかな光に包まれた「お姫様」が立っていた。
顔は赤くてぎこちないけれど、それでも確かに、憧れていた姿がそこにあった。
私が…お姫様? 胸の奥がきゅっと熱くなる……。
「む、無理です! 私なんかがこんなの……」私は必死に首を振った。
けれどクラスメイトたちは容赦なく背中を押し、気づけば家庭科室の奥にある簡易更衣室へ押し込まれていた。
ドレスが腕に渡される。淡いシャーベットピンクに包まれた布地が、蛍光灯の下できらきら光っていた。
(かわいい……) 思わず心の声がもれた。
いや、ドレスがかわいいのであって、私が着こなせるわけじゃない。
そう自分に言い聞かせながら、震える手で袖を通す。
布が肌に触れた瞬間、ひんやりとした感触に息を呑んだ。
胸元には細かなレースが幾重にも重なり、淡いリボンがちょこんと飾られている。
スカートは何層ものチュールとフリルでふくらみ、歩くたびにさらさらと音を立てた。
パニエが仕込まれているのだろう。
裾には小花のモチーフが散りばめられ、まるで花畑を歩くみたいに軽やかだ。
肩口から流れるリボンが背中で結ばれていて、結び目が大きな蝶の羽のようにひらひら揺れる。
袖口に縫い込まれた細かなレースは、まるでお菓子のアイシングのように繊細だった。
なんとか着ることができて、鏡の前に立った私は、しばらく自分だと信じられなかった。
――これ、本当に…私?
地味で目立たないただの女子高生。
なのに、鏡の中には、柔らかな光に包まれた「お姫様」が立っていた。
顔は赤くてぎこちないけれど、それでも確かに、憧れていた姿がそこにあった。
私が…お姫様? 胸の奥がきゅっと熱くなる……。