【失恋同盟】
「ご、ごめん…!子どもみたいにっ!」
今までのことを思い出して、顔が赤くなる。
いくらしんどいからって、泣きじゃくって抱きついて…。
冷静になると、やばい。
ここ、佐成くんの家だし…。
ソファの感触も、あったかい飲み物の香りも、急に現実味を帯びてくる。
でも、佐成くんは笑って言った。
「篠原、頑張ったね」
そう言って、ポンポンと私の頭を撫でる。
その手が、優しくて、あったかくて。
まるで、全部を肯定してくれるみたいだった。
「篠原、子どもみたいに泣くんだね」
佐成くんにそう言われて、顔が熱くなる。