【失恋同盟】



「ご、ごめん…!子どもみたいにっ!」



今までのことを思い出して、顔が赤くなる。

いくらしんどいからって、泣きじゃくって抱きついて…。

冷静になると、やばい。

ここ、佐成くんの家だし…。

ソファの感触も、あったかい飲み物の香りも、急に現実味を帯びてくる。

でも、佐成くんは笑って言った。



「篠原、頑張ったね」



そう言って、ポンポンと私の頭を撫でる。

その手が、優しくて、あったかくて。

まるで、全部を肯定してくれるみたいだった。



「篠原、子どもみたいに泣くんだね」



佐成くんにそう言われて、顔が熱くなる。


< 102 / 286 >

この作品をシェア

pagetop