【失恋同盟】



そのまま、廊下をグングン歩き出す。



「ちょ、ちょっと佐成くん!?」



強引すぎるよっ。

気が付けば、いつもの空き教室。

ピシャン!

大きな音を立てて、扉が閉まった。

その瞬間。

佐成くんに、抱きしめられた。

心臓が、跳ねる。

時間が、止まった。



「ねえ、何考えてる?誰のこと考えてる?」



抱きしめながら、佐成くんはそう呟いた。

その声が、耳元で静かに響く。

なんで、そんなこと聞くの?

それを知って、どうするの?


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