【失恋同盟】
「え?」
「ごめん…今、止めるから」
佐成くんの言葉に、胸がきゅっとなる。
ずっと、佐成くんに助けられてきた。
泣きたいときも、 迷ったときも、心が折れそうなときも――
全部、全部、佐成くんがいたから。
佐成くん。佐成くん。
気づいたら、 佐成くんのことばかり考えてた。
佐成くんといると、ドキドキする。
でも、なんでか心地よくて。
その感覚が、 少しずつ、少しずつ、私の中で形になっていった。
佐成くんがハグするのは、私だけがいいって思うようになってた。
その気持ちが、今、胸の奥からあふれ出す。