【失恋同盟】



「わっ……!」



ドキドキして、顔が熱くなる。
でも、不思議と安心感もある。



「……で、どうかな?同盟、組む気になった?」



佐成くんはハグのまま、耳元でそっと聞く。
胸がバクバクして、断れるはずもなかった。


「……うん、組む」



その瞬間、失恋同盟が正式に結ばれた。


傷ついた心を、二人で少しずつ癒していく――そんな時間の始まりだった。


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