【失恋同盟】
「佐成くん、私のこと好きなの?」
「そうだなー。 ハグの代わりにキスにしようか?」
「はっ…え!?」
思考が追いつかないまま―― 気づくと、唇が重なっていた。
一回。二回。三回。
何度も、確かめるように。角度を変えて、落ちてくるキス。
「…っ」
唇が離れたかと思うと、佐成くんの熱い目が、私を捕らえる。
「ハグで満足してた自分が怖い」
その言葉に、胸がドクンと鳴る。
私の頬に手を添えて、佐成くんの顔が再び近づいてくる。
「さっ…佐成くん!」
触れ合う瞬間に、佐成くんの口を両手で押さえた。
「佐成くんは、私のことが好きなの?」
聞いてないよ。肝心なこと。
佐成くんは、私の腕を掴んで口から外す。
「キスしても、分かんない?」
そう…じゃなくて。
私は、言葉で聞きたいの。