【失恋同盟】
「来た」
「……呼んだの、佐成くんでしょ」
「呼んだつもりはないけど。来てくれると思ってた」
相変わらず無表情に近いけど、口元が少しだけ柔らかい。
それだけで、また心臓がバクバクしてしまう。
「じゃ、今日の活動」
「……“活動”って」
「失恋同盟の、大事なやつ」
佐成くんが、両手を広げて私を待っている。
……昨日の夜から、頭の中で何度もこの場面を想像してしまってた。
でも、実際に目の前にすると……やっぱり恥ずかしい。