【失恋同盟】



佐成くんの胸に耳を預けると、ドクンドクンと規則正しい鼓動が伝わってきた。
それが、なんだか不思議と安心する。


(私、こんなふうに人に甘えるの……初めてかも)


弟や妹には“お姉ちゃん”として頼られることが多くて、誰かに頼るなんてできなかった。
だから、こうして包まれていると……守られてるみたいで、心が少しずつ溶けていく。



「……ねえ、篠原」


「な、なに?」


「こうやって慰め合ってると、ほんとに同盟って感じするね」



ふっと小さく笑う声が耳にかかって、心臓がまた跳ねた。


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