【失恋同盟】
「そこ座って」
そう言われて、保健室の丸椅子に腰かける。
先生はいなかったけど、佐成くんは迷いなく冷凍庫を開けて保冷剤を取り出した。
ハンカチを巻き付ける手つきが、意外と丁寧で。
その姿を見てるだけで、胸が少しだけあったかくなる。
「ほら、目瞑って」
言われるがまま、そっと目を瞑る。
「ホームルームまで時間あるし、ここにいよう」
そう言って、佐成くんが隣に座る。
ガタッと椅子が動く音がして、距離がぐっと近くなる。