【失恋同盟】
やばい、休日佐成くん。
これは学校の女子に見つかったら、ただじゃおかないかも…。
「早く行こ!」
そう言って、佐成くんの腕を引っ張って電車に乗り込んだ。
ドアが閉まって、電車がゆっくり動き出す。
「ここ空いてるよ。座って」
「え、いいよ!佐成くんが座って」
「いいから座って」
その言葉に押されて、席に座る。
佐成くんは、私の前でつり革を持って立つ。
その姿が、なんだか申し訳なくて。
でも佐成くんは気にしてないみたいで、窓の外をぼんやり見てる。
その横顔が、静かで、優しくて。
心が、少しだけあったかくなる。