【失恋同盟】
2駅ほど進んで、隣が空いた。
ポンポンと「空いたよ」と合図すると、佐成くんが隣に座ってくれた。
思ったより距離が近くて、ドキドキする。
電車の揺れと、佐成くんの気配。
「佐成くんって、いつも眠そうだよね」
「うん、いつも眠いかも。ちょっと肩貸してもらっていい?」
「え?」
その瞬間。
佐成くんの頭が、私の左肩にのる。
「…っ」
心臓が、ドクンと跳ねる。
電車の音が遠くなって、佐成くんの呼吸だけが耳に届く。
ドキドキしすぎて、心臓が破裂しそう。
でも、佐成くんは穏やかな顔で目を閉じてる。