【失恋同盟】
佐成くんは、少しだけ間を置いて、ぽつりと呟いた。
「…俺の好きな人」
その言葉が、静かに胸に落ちる。
聞いていいのか分からなかったけど、言ってくれた。
それだけで、少しだけ嬉しくて、でもやっぱり苦しくて。
「昼休みに来た人?」
なんとなく、そんな気がした。
佐成くんは、目を伏せたまま、ゆっくりうなずいた。
「俺の幼馴染」
佐成くんはそう言って、壁によしかかる。
その目は、遠くを見ているようだった。
佐成くんの好きな人。麻衣さん。佐成くんの幼馴染。
その言葉が、静かに胸に響く。