【失恋同盟】
「おーい、ほたる」
廊下から、駿の声が聞こえてきて胸がドキッと跳ねた。
駿が、私のことを呼んでいる。
その声は、昔と変わらない。
駿の方へ行くと、「これ、ずっと借りてたやつ」と言って渡されたのは、懐かしいCDだった。
「今更すぎない?」
そう言うと、駿は笑って答えた。
「ずっと借りパクするよりはマシだろ~」
そして、私の頭を豪快に撫でてくる。
「ちょっ、ちょっと!」
思わず声を上げると、駿は大きな口を開けて笑った。
その笑顔が、昔と何も変わってなくて。
懐かしくて、少しだけ切なくて。