【失恋同盟】
「ほたる?」
もう一度呼ばれて、私は必死に笑って言った。
「駿、私も好きな人作ろうかな」
その言葉に、駿の顔が赤くなった。
一瞬だけ、私を見て。
でもすぐに、ドリンクバーにいる結菜を見ながら言った。
「あー、好きな人がいるっていいぞ」
その言葉が、まるで冷たい水みたいに胸に落ちた。
駿の視線の先には、結菜。
一生、その目は私に向かないんだね。
そう思った瞬間、ツーっと涙が頬を伝った。
「え、ほたる…!?」
駿の声が、驚いたように響く。