令和恋日和。 ~触れられない距離に恋をして~
その夜、二人は公園のベンチに座り、静かに星空を見上げた。都会の光に少し霞む星々が、頭上で瞬いている。思わぬ出来事で小さなすれ違いはあったけれど、こうして向き合うことで、互いの心は再びつながった。
「今日、急に予定が変わってしまって……本当にごめん」
侑が静かに言うと、芙美は首を振って微笑んだ。
「侑さんがそんな風に言ってくれるだけで、十分です。私も、ちょっと不安になってたけど……こうして会えて、よかった」
その言葉に、侑の表情が柔らかくなり、芙美の手を握り返した。手の温もりが、まるで心の奥にそっと触れるようだった。
芙美は、胸の奥で静かに呟いた。
――恋は、順調なだけじゃない。でも、こうして乗り越えれば、もっと強くなれる。
侑もまた、同じ思いで彼女の手を握り返した。