残念令嬢、今世は魔法師になる
 まさか縁談前からふたりに交流があったなんて信じられない。
 だいたい図書館で出会ったなんて、そんなの私にはなかったのに。
 私が逆行したことですでに未来が変わっているのだろうけれど、よりよってフェデルとカイラがすでに接触していたなんて。

 ふたりを近づけさせないはずだったのに、すでに知り合っているならどうしようもない。
 だけど、フェデルがカイラを捨てる未来があるなら、やっぱり私はふたりの婚約を阻止したい。

「ありがとう、ミレア。あなたのおかげよ」
「え?」
「あなたと出会えて、私はお姉様とよくお話をするようになったの。それに、あなたはお姉様を助けてくれた。あなたと出会ってからお姉様は少し明るくなったわ」
「そっか。本当によかった」

 カイラが元気になって、リベラとも話せるようになったことはよかった。
 それに、これからカイラと話す機会が増えれば、婚約を阻止できるチャンスはまだあるはず。

 などと思っていたのに、私は意外な事実を知ってしまう。

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