残念令嬢、今世は魔法師になる
「あ、そうね……魔法学史、難しいなって」
「ミレアでもそう思うの? 毎回小テストで満点なのに」
「テストは暗記しているから。歴史の背景とかまだまだ詳しく理解していない部分はあるよ」
「ミレアは本当に勉強家ね」
「興味があることにはね」
正直、今日の授業はほとんど聞いていなかった。寝る前にちゃんと復習しておこう。実技試験が不安だらけだから、せめて学科試験だけはいい成績を残しておきたい。
「私は言語が不安だわ。でも、ミレアは本当にすごいわね。スベリア語をマスターしているなんて」
「……スベリアに親戚がいるんだ」
はい、うそです。
これは前世で王太子妃候補になったときに猛勉強して習得したから。
辺境伯に嫁いだあともスベリア人と手紙でやりとりすることがあり、簡単な意思疎通程度は記憶している。
よく考えたら、今の私の学科の成績はほとんど前世のカイラ頼りなのよねえ。
「ミレアは学科は完璧ね。実技も頑張って」
「そうだね。せめて魔力値二桁は維持したいな」
「自信を持って。目標を高くすれば頑張れるわよ」
「じゃあ、魔力値100を目指してみる」
「それがいいわ」
到底無理だとわかっていても、こうして口にするだけでやる気がわいてくる。
リベラと話していると、自信がついてくるし、お互いに頑張れる。
ふたりだけの、たわいない話。
だけど、それを聞いていたラナたちがずっと私たちを睨みつけていることに、このときまったく気づいていなかった。
「ミレアでもそう思うの? 毎回小テストで満点なのに」
「テストは暗記しているから。歴史の背景とかまだまだ詳しく理解していない部分はあるよ」
「ミレアは本当に勉強家ね」
「興味があることにはね」
正直、今日の授業はほとんど聞いていなかった。寝る前にちゃんと復習しておこう。実技試験が不安だらけだから、せめて学科試験だけはいい成績を残しておきたい。
「私は言語が不安だわ。でも、ミレアは本当にすごいわね。スベリア語をマスターしているなんて」
「……スベリアに親戚がいるんだ」
はい、うそです。
これは前世で王太子妃候補になったときに猛勉強して習得したから。
辺境伯に嫁いだあともスベリア人と手紙でやりとりすることがあり、簡単な意思疎通程度は記憶している。
よく考えたら、今の私の学科の成績はほとんど前世のカイラ頼りなのよねえ。
「ミレアは学科は完璧ね。実技も頑張って」
「そうだね。せめて魔力値二桁は維持したいな」
「自信を持って。目標を高くすれば頑張れるわよ」
「じゃあ、魔力値100を目指してみる」
「それがいいわ」
到底無理だとわかっていても、こうして口にするだけでやる気がわいてくる。
リベラと話していると、自信がついてくるし、お互いに頑張れる。
ふたりだけの、たわいない話。
だけど、それを聞いていたラナたちがずっと私たちを睨みつけていることに、このときまったく気づいていなかった。