残念令嬢、今世は魔法師になる

28、楽しいお泊まり会

 そして、リベラのうちで過ごすお泊まり会の夜。
 私たちは白い寝間着ドレスに着替えて、ふわふわのクッションとぬいぐるみに囲まれながら、おしゃべりに花を咲かせた。
 足もとにふかふかのマットが敷かれ、そこに直に座っている。
 大きな四角い銀トレーには温かい紅茶とお菓子がある。チョコレートタルトにフルーツの盛り合わせ。そして、私の母が焼いてくれたクッキーも並んでいる。
 そばに置かれたキャンドルライトがやわらかい光を照らしている。

 学校のことや魔法のこと、美味しい料理や好きなものなど、話すことは尽きない。
 やがてリベラの家族の話題になった。

「お父様は賭け事をやめたらしいの。お母様もまったくお買い物をしなくなって、今はお姉様のために料理人に食事のメニューを考案させたり、書庫に本をたくさん取り寄せたりしているわ」
「それはすごい変わりようだけど、いったい何があったの?」
「フェデル殿下の影響よ。きっとお姉様が王太子妃候補になると思っているのよ」
「えっ……!」

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