残念令嬢、今世は魔法師になる
5、魔法を使ってみた結果
思い描いたのは優しくふわっと持ちあげてくれる風。羽のように柔らかく、そっと包みこむような風だ。それでカイラの体を浮かせて川から引き離すつもりだった。
それなのに、私の手から放たれたのはまるで嵐のような突風だった。
あまりの勢いに自分の体さえ支えられず、私はその場に尻餅をついた。
空気が唸りを上げて、砂埃とともに木の葉や新聞や植木鉢までも軽々と宙を舞いあがる。
どうしよう。こんなはずじゃなかったのに。
ていうか、魔法を止めるのってどうすればいいの?
「きゃああっ」
カイラが川のほうへ飛んでいき、そのまま落下するところだった。
私は血の気が引いて、泣きそうになりながら、届くはずもない手を伸ばした。
「カイラ!」
すると、私が起こした突風の渦は別の方向から吹きこんできた風にかき消された。
カイラの体がふわっと浮きあがり、川に落ちる寸前で宙に留まる。
そのまま風に抱かれるようにして、そっと地面へと降ろされた。
それなのに、私の手から放たれたのはまるで嵐のような突風だった。
あまりの勢いに自分の体さえ支えられず、私はその場に尻餅をついた。
空気が唸りを上げて、砂埃とともに木の葉や新聞や植木鉢までも軽々と宙を舞いあがる。
どうしよう。こんなはずじゃなかったのに。
ていうか、魔法を止めるのってどうすればいいの?
「きゃああっ」
カイラが川のほうへ飛んでいき、そのまま落下するところだった。
私は血の気が引いて、泣きそうになりながら、届くはずもない手を伸ばした。
「カイラ!」
すると、私が起こした突風の渦は別の方向から吹きこんできた風にかき消された。
カイラの体がふわっと浮きあがり、川に落ちる寸前で宙に留まる。
そのまま風に抱かれるようにして、そっと地面へと降ろされた。