残念令嬢、今世は魔法師になる
8、前世の妹と友だちになる
なつかしい顔がそこにある。私の妹、リベラだ。
18歳で私が辺境伯へ嫁いでから、手紙のやりとりは何度かあったけれど、一度も会う機会がなかった。
そのせいか、記憶の中のままの姿で彼女は今ここにいる。
「私はリベラ・アンデルよ。よかったら仲良くしてね」
にっこりと微笑むリベラを見て、私は声も出せずに、ただ呆然としていた。
けれど胸の奥が締めつけられて、ふいに涙がこぼれ落ちた。
「どうしたの? 誰かに嫌なことを言われたの?」
うまく言葉が出てこなくて、私は黙って首を横に振った。
リベラと再会したことが嬉しくて、ひさしぶりに触れた彼女の優しさに心が沁みる。
胸にしまっていた前世の記憶が、波のように一気によみがえる。
*
18歳で私が辺境伯へ嫁いでから、手紙のやりとりは何度かあったけれど、一度も会う機会がなかった。
そのせいか、記憶の中のままの姿で彼女は今ここにいる。
「私はリベラ・アンデルよ。よかったら仲良くしてね」
にっこりと微笑むリベラを見て、私は声も出せずに、ただ呆然としていた。
けれど胸の奥が締めつけられて、ふいに涙がこぼれ落ちた。
「どうしたの? 誰かに嫌なことを言われたの?」
うまく言葉が出てこなくて、私は黙って首を横に振った。
リベラと再会したことが嬉しくて、ひさしぶりに触れた彼女の優しさに心が沁みる。
胸にしまっていた前世の記憶が、波のように一気によみがえる。
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