残念令嬢、今世は魔法師になる
「まさか、ノエインにまで再会するなんて」
前世で私がノエインと初めて出会ったのは病で伏せっていた頃。45歳を過ぎていたと思う。
たまたま薬草園で出会って、医師も見放した私の病をノエインは見抜いて薬をくれた。それが最初の接点だった。
私の病が何なのか、結局わからなかったけれど、ノエインはわかっていたようだ。ただ彼は病について何も言わずにただ症状をやわらげる薬をくれた。
つまり、もう完治できない病だと彼はわかっていて、私に何も言わなかったのだ。
その薬は簡単に作れると言って、ノエインはたびたび私の住む屋敷を訪れて無償で薬を与えてくれた。
彼はお金を請求することもなく、何かを要求することもなかった。ただ、薬を持ってきて、私が話すことを少し聞いて帰っていくという日々だった。
彼から何か話すようなことはなかった。
すごく楽しかった日々とは思えないけれど、どん底の暗闇の中で生きていた私にとって、彼の来訪が唯一の救いだった。
彼がなぜそこまでして身内でもない私に薬を与えてくれたのか、いまだにわからない。
けれど――
「うーん。思いだせば思いだすほど、今のノエインとはあまりに違う」
前世で私がノエインと初めて出会ったのは病で伏せっていた頃。45歳を過ぎていたと思う。
たまたま薬草園で出会って、医師も見放した私の病をノエインは見抜いて薬をくれた。それが最初の接点だった。
私の病が何なのか、結局わからなかったけれど、ノエインはわかっていたようだ。ただ彼は病について何も言わずにただ症状をやわらげる薬をくれた。
つまり、もう完治できない病だと彼はわかっていて、私に何も言わなかったのだ。
その薬は簡単に作れると言って、ノエインはたびたび私の住む屋敷を訪れて無償で薬を与えてくれた。
彼はお金を請求することもなく、何かを要求することもなかった。ただ、薬を持ってきて、私が話すことを少し聞いて帰っていくという日々だった。
彼から何か話すようなことはなかった。
すごく楽しかった日々とは思えないけれど、どん底の暗闇の中で生きていた私にとって、彼の来訪が唯一の救いだった。
彼がなぜそこまでして身内でもない私に薬を与えてくれたのか、いまだにわからない。
けれど――
「うーん。思いだせば思いだすほど、今のノエインとはあまりに違う」