残念令嬢、今世は魔法師になる

13、不安だらけの魔力測定

 魔法科へ通うようになって2ヵ月が過ぎようとしていた。
 学校での生活にもずいぶん慣れてきたし、ラナたちの嫌みも受け流せるようになった。
 クラスのみんなも魔力値の低い私を最初こそ見下していたものの、最近は興味を失ったみたいで、私は平穏に過ごせていた。

 魔法学の勉強は本当に面白くて、この科目だけならパーフェクトな成績を残せるだろうという自信があった。
 問題は実践テストだ。もうすぐ魔力測定テストがある。

 このテストは定期的におこなわれているものであり、先生の前で魔法の基礎を披露したあと、ふたり一組になって魔法の対戦をおこなうようだ。
 一応、魔力値の近い者同士で組むことになるようだけど、私と相手になれる人でも魔力値2桁はある。

「こんなの無理に決まってるよー」

 私が嘆いていると、リベラがそっと肩を撫でてくれた。

「大丈夫。今日から一緒に特訓しましょ」


 放課後の鐘が鳴り終わる頃、リベラとともに校舎の裏手にあるエルカノの森へ足を踏み入れた。空から斜めに降り注ぐ光が木の葉を金色に染めている。
 ここでリベラは私に魔法の特訓をしてくれることになった。

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