残念令嬢、今世は魔法師になる

3、今世最高すぎるんですが

 どうやら二度目の人生は現実だった。

 私は鏡の前に立って、自分の姿を再確認する。黄色味がかった銀髪に黄金の瞳、色白の肌にほんのりピンクの頬とつやのある唇。
 すごい、まるで人形みたいに綺麗な容姿。

 カイラだった頃は漆黒の髪に紅い瞳、青白く痩せこけた顔にはしわがいくつも刻まれていた。それに比べたら、今は少し痩せぎみだけど若々しい肌をしている。

「か、可愛い!」

 思わず口に出してしまった。
 すると私の声に反応して、そばにいた侍女がにっこりと微笑んだ。

「はい、お嬢様は今日も可愛いですよ」
「あ、えへへ……」

 自分で自分のことを可愛いと言うなんて恥ずかしい発言をしてしまったわ。
 だけど今のはミレアという“今の私”を、カイラだった“昔の私”が純粋にそう思っただけ。などと言っても首を傾げられるだけだよね。

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