初恋相手に再会したら、恋の続きになりまして
今日の取材は、読者の人からの投稿だった。
2階が建築事務所で、1階がおしゃれなカフェになっているらしい。
オーナーさんと店長さんの二人で切り盛りしていて、夜はバーにもなるという。

若い男性の店長さんが、にこにこと対応してくれた。
明るくて、爽やか。
理世は心の中でつぶやく。

「オーナーを連れてきますね」
店長はそう言うと、2階にあがっていった。

理世はカウンターの席で、メモ帳に目を落としていた。
ふと、階段の向こうに立つ人影に目をやる。

「……こんにちは」

思わず息を飲む。


え……?


――声も、姿も、あの人だった。

「……滉星……?」
目の前に立つのは、高校時代の初恋の相手。
スーツでもなく、ラフなシャツ姿でもない。
大人の余裕を纏った建築家としての滉星。
でも、目の奥に、あの頃の笑顔がちらりと見えた。

理世の手のひらは自然に汗ばんでいた。
胸の奥がじんわりと熱くなる。

滉星は、少し笑みを浮かべて言った。
「久しぶり」

その声に、理世の胸は高鳴り、時が止まったように感じた。
あの小さな公園で交わしたキス、あの夜、すべてが一瞬で蘇る。

「……本当に久しぶりだね」
理世も、ぎこちなく笑みを返す。
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