初恋相手に再会したら、恋の続きになりまして

4

帰宅した理世は、ベッドに身を投げ出した。部屋の静けさが、さっきまでの出来事をやけに鮮明に浮かび上がらせる。

――滉星。

とにかく憧れだった。今も、やっぱりかっこよかった。

目を閉じると、思い出す。
一年前、偶然の再会のあと、最後のつもりで一度だけ肌を重ねた夜。
あの時は「これでおしまい」だと、自分に言い聞かせていたのに。

――なのに、また会ってしまった。

彼の骨ばった肩、無駄のない筋肉のライン。抱きしめられたときの、少し強引で、それでいて優しい力。
どれも、鮮明すぎるほど思い出される。

「……ダメだ……」
理世は思わず声に出して呟いた。胸の奥が熱くて、切なくて、眠るどころではない。

連絡を取ろうと思えば、いつでも取れる。
SNSでも、仕事を通してでも。
でも、連絡をしてしまえば――もう後戻りできない。

枕元に置いたスマホを見つめる。
指先が無意識に画面に伸びるけれど、そのたびに理世は首を振り、布団に顔を埋めた。

――また会いたい。
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