初恋相手に再会したら、恋の続きになりまして

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久しぶりの三浦理世は、本当に可愛かった。
今年で二十七歳。
高校生の頃と変わらないくらいの透明感があって、周りの大人たちの中でひとりだけ光を放っているみたいだった。
きちっとフォーマルなスーツなのに、どこか少女のころの面影を思い出させる仕草がある。

まだ顔にはあどけなさが残る。
でも、本人はきっと必死で仕事に食らいついているのだろう。
変わらないな、その芯の強さ。

……かわいい。

思わず、目が離せなくなる。
昔は、ただ好きだという気持ちだけで胸がいっぱいだった。
今は違う。仕事の打ち合わせという大人の空間で、彼女の存在がこんなにも心を揺さぶるなんて。

「……資料は全部目を通したか?」
淡々と仕事の確認をするその声の端に、抑えきれない心の動きが滲むのを自覚していた。

理世は少し驚いたように目を見開き、そして落ち着いた表情に戻る。
「ええ、確認済み。神田くんも?」
声は平静そのもの。でも、心の奥で、あの頃の記憶が甘く疼く。

微かに笑みを浮かべる。
内心では、「やっぱりあの頃の俺は、彼女が好きだったんだ」と再認識した。
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