初恋相手に再会したら、恋の続きになりまして
【シェリー】★
初恋を再開させてから、初めて二人での旅行。
その約束を実現させるために、滉星は少しずつ環境を整えていった。
自分で回してきたカフェとバーには、信頼できる従業員を新しく雇い入れた。
「お前に任せる」
そう言って鍵を渡したとき、田中は「ようやく信頼された」と笑った。
そのぶん、滉星は本業である建築士としての案件を増やし、そして――理世と過ごす時間を大切にするようになっていった。
「待たせることはしたくない」
滉星はそう心に決めていた。
理世にとっても、それは嬉しい変化だった。
滉星の働く姿は相変わらず格好よく、けれど無理をしすぎないように彼が配慮してくれていることが、何より心に染みた。
そして迎えた出発の日。
朝早くの駅のホームで、並んで立つ二人。
旅行バッグを肩にかけた滉星が、少し照れながら理世に微笑んだ。
「……一緒に旅行って、なんか新鮮だな」
「うん。私もドキドキしてる」
風が頬を撫で、電車の到着を知らせる音が響いた。
二人は顔を見合わせ、自然に手を繋ぐ。
――まるで初恋の続きを、まだまだこれから描いていくように。
心は甘く、高鳴っていた。
その約束を実現させるために、滉星は少しずつ環境を整えていった。
自分で回してきたカフェとバーには、信頼できる従業員を新しく雇い入れた。
「お前に任せる」
そう言って鍵を渡したとき、田中は「ようやく信頼された」と笑った。
そのぶん、滉星は本業である建築士としての案件を増やし、そして――理世と過ごす時間を大切にするようになっていった。
「待たせることはしたくない」
滉星はそう心に決めていた。
理世にとっても、それは嬉しい変化だった。
滉星の働く姿は相変わらず格好よく、けれど無理をしすぎないように彼が配慮してくれていることが、何より心に染みた。
そして迎えた出発の日。
朝早くの駅のホームで、並んで立つ二人。
旅行バッグを肩にかけた滉星が、少し照れながら理世に微笑んだ。
「……一緒に旅行って、なんか新鮮だな」
「うん。私もドキドキしてる」
風が頬を撫で、電車の到着を知らせる音が響いた。
二人は顔を見合わせ、自然に手を繋ぐ。
――まるで初恋の続きを、まだまだこれから描いていくように。
心は甘く、高鳴っていた。