初恋相手に再会したら、恋の続きになりまして
理世は、滉星と会ったことを、今でも仲の良い高校時代の友達・杏里に伝えた。

杏里は、テーブルの向こうで思い切り目を丸くする。
「そんなことって、あり?!」
声が少し裏返っている。

理世は、思わず吹き出しそうになりながらも、真剣に頷いた。
「いや……わたしもそう思うよ」

カフェの窓際、湯気の立つカップ。
偶然にしては出来すぎている再会。
でも、だからといって簡単に昔に戻れるわけじゃない。

杏里は身を乗り出して、囁くように言った。
「で? で? どうだったのよ。変わってた? それとも昔のまま?」

理世は少し視線を落とす。
浮かんでくるのは、会議室の彼の姿。背筋を伸ばし、落ち着いた声で話す大人の滉星。
でも、不意に笑ったときの目元は――前と同じだった。

「……変わってた。大人になってた。でも……やっぱり、変わらないところもあった」
自分で言いながら、胸の奥が温かくなる。

杏里はニヤニヤ笑いながらストローを回す。
「なにそれ。完全にまだ好きじゃん」

「ち、違うってば」
理世は慌てて否定するけれど、杏里の目はごまかせそうにない。



心臓の高鳴りは、理世自身が一番よくわかっていたから。
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