初恋相手に再会したら、恋の続きになりまして

【オンザビーチ】

「取材、うまくいったから……ご褒美に旅行行こうか」

「うん」理世は嬉しそうに頷いたあと、少し茶化すように言う。
「でも、それって、旅行に行きたいだけだよね」

滉星は口元に笑みを浮かべて、肩をすくめる。
「そうだよ」

「もう……正直なんだから」
理世はくすくす笑った。

「海の見えるところがいいな」
理世が言うと、滉星は即答した。
「海好きだね」

「うん。好き」
目を細めて、子どものように嬉しそうな顔をする理世。

滉星はわざとらしく真剣な顔で彼女に尋ねる。
「俺とどっちが好き?」

理世は思わず吹き出し、笑いをこらえながら小声で答えた。
「何こどもみたいに……ふふふ。滉星だよ」

その瞬間、滉星の表情は、仕事で見せる落ち着いた顔ではなく、
ただ恋人の言葉に照れて嬉しそうに笑う、素直な男の顔になっていた。

「じゃあ決まり。海の近くのホテル探すよ」
「うん……楽しみ!」
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