双子の悪女の身代わり〜実は私が創世の聖女です〜
ベリオット皇帝を治療する為に、カリンを帝国に送った時も当然彼女は戻ってくるものだと思っていた。
アリアドネが姿を現したことで、俺はパレーシア帝国がカリンをそのまま戻すつもりはないことを悟った。
ベリオット皇帝に関しては信頼をしているし、ルイス皇子にも好感を持っていた。
4年前に会談をしたクリス第1皇子は本当に横柄で、信用できない男だった。
それに比べてルイス皇子は一目で彼が帝国の次期皇帝だと思えるほど品があった。
会話にも頭の良さと育ちの良さが滲み出ていて、俺は彼のことは信用していた。
だから、大切なカリンを預けたつもりだった。
「ふふっ、カリンが戻ってくると思っているんですか? ルイス皇子は彼女にご執心、今頃彼女はろくに服も着せてもらえていないと思いますわよ」
アリアドネの言葉に頭に血が上った。
俺はルイス皇子がそのような卑劣なことをするとは思っていない。
しかし、彼がカリンに惹かれている事には気がついていた。
麗しい帝国の皇子に見初められたら、カリンも心が動いてしまうかもしれない。
俺は気がつけば、貿易船に1人飛び乗っていた。
パレーシア帝国行きの船に乗りながら、アリアドネがなぜあのような事を言って来たのかを考えていた。
彼女はエウレパ王国で3年過ごしている。
当然エウレパ王国で5年過ごした俺の話も聞いているだろう。
俺がカタリーナ王妃のお気に入りだった話も耳に入ってそうだ。
カタリーナ王妃は美しい少年が大好物の女だった。
彼女は俺にとっては良い情報源で、彼女から引き出した情報を使ってエウレパ王国を仲間と脱出したとも言える。
彼女は快楽に弱く、扱いやすかった。
俺の中では完全に彼女との関係を割り切っていた。
カタリーナ王妃が手を出した少年の中には心を病む者もいたので、アリアドネは俺も同じように女にトラウマを抱えていると思ったのかもしれない。アリアドネはわざと俺を刺激しようとしているように感じた。
今、思うとエウレパの国力が低下している情報は、誰かが故意にカルパシーノ王国に流しているように思う。
エウレパの国力を落としたのは間違いなくアリアドネで、情報を流したのが彼女だとしたら⋯⋯。
彼女自身がエウレパ王国でトラウマを負うような時間を過ごしていて、早く自分を助け出して欲しかったのかもしれない。
ルイス皇子とカリンがダンスしていた時の事を思い出す。
まるで昔からの番のようにお似合いの2人だった。
麗しい帝国の皇子は、まるで初めて恋をしたかのようにカリンを見つめていた。
(まるで、初代皇帝リカルドと、創世の聖女マリアンヌみたいだ⋯⋯)
アリアドネが姿を現したことで、俺はパレーシア帝国がカリンをそのまま戻すつもりはないことを悟った。
ベリオット皇帝に関しては信頼をしているし、ルイス皇子にも好感を持っていた。
4年前に会談をしたクリス第1皇子は本当に横柄で、信用できない男だった。
それに比べてルイス皇子は一目で彼が帝国の次期皇帝だと思えるほど品があった。
会話にも頭の良さと育ちの良さが滲み出ていて、俺は彼のことは信用していた。
だから、大切なカリンを預けたつもりだった。
「ふふっ、カリンが戻ってくると思っているんですか? ルイス皇子は彼女にご執心、今頃彼女はろくに服も着せてもらえていないと思いますわよ」
アリアドネの言葉に頭に血が上った。
俺はルイス皇子がそのような卑劣なことをするとは思っていない。
しかし、彼がカリンに惹かれている事には気がついていた。
麗しい帝国の皇子に見初められたら、カリンも心が動いてしまうかもしれない。
俺は気がつけば、貿易船に1人飛び乗っていた。
パレーシア帝国行きの船に乗りながら、アリアドネがなぜあのような事を言って来たのかを考えていた。
彼女はエウレパ王国で3年過ごしている。
当然エウレパ王国で5年過ごした俺の話も聞いているだろう。
俺がカタリーナ王妃のお気に入りだった話も耳に入ってそうだ。
カタリーナ王妃は美しい少年が大好物の女だった。
彼女は俺にとっては良い情報源で、彼女から引き出した情報を使ってエウレパ王国を仲間と脱出したとも言える。
彼女は快楽に弱く、扱いやすかった。
俺の中では完全に彼女との関係を割り切っていた。
カタリーナ王妃が手を出した少年の中には心を病む者もいたので、アリアドネは俺も同じように女にトラウマを抱えていると思ったのかもしれない。アリアドネはわざと俺を刺激しようとしているように感じた。
今、思うとエウレパの国力が低下している情報は、誰かが故意にカルパシーノ王国に流しているように思う。
エウレパの国力を落としたのは間違いなくアリアドネで、情報を流したのが彼女だとしたら⋯⋯。
彼女自身がエウレパ王国でトラウマを負うような時間を過ごしていて、早く自分を助け出して欲しかったのかもしれない。
ルイス皇子とカリンがダンスしていた時の事を思い出す。
まるで昔からの番のようにお似合いの2人だった。
麗しい帝国の皇子は、まるで初めて恋をしたかのようにカリンを見つめていた。
(まるで、初代皇帝リカルドと、創世の聖女マリアンヌみたいだ⋯⋯)