双子の悪女の身代わり〜実は私が創世の聖女です〜

18.訂正してください!

  アリアドネ・シャリレーン、私はシャリレーン王国の王女として生まれた。
 シャリレーン王国は他国との交流が皆無に等しかった。

 特殊な宗教を信仰している為に、距離を置かれていたと言った方が正しいだろう。
 特に資源が豊かという訳でもないので、他国もシャリレーン王国を侵略しようとしたことはなかった。
 
 私は自分の生まれた国と、そこに住む人々を愛していた。

 13歳の時、隣国のルドナの国王が私の母の美貌に目をつけた。
 アンレリネ・シャリレーン、私の母は私と同じ琥珀色の瞳をした本当に美しい人だった。
 既に父と結婚して王妃である母を所望するなど非常に無礼な話だ。
 
 王妃を差し出さなければ、国を攻めると言われて父は頭を抱えていた。

 シャリレーン王国には騎士団がない。
 他国から攻められても、自国を守る術を持っていないのだ。

 ルドナ国王は女好きな上に、非常に好戦的な人間として有名だった。

 父は悩んだ末に、愛する母を引き渡さない決断をした。

 しかし、ある夜、母は別れの手紙と代々王族に受け継がれているゴールデンベリルの指輪を置いてルドナ王国に行ってしまった。

 母は父との離婚も成立しないまま、ルドナ国王に人質のような形で引き渡されていた。
 
 
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