双子の悪女の身代わり〜実は私が創世の聖女です〜
シャリレーン王国を建て直すためには、私は帝国について知る必要がある。
 私の神聖力は医師や薬師の仕事を奪っただけでなく、国民の王家依存を加速させた。

 パレーシア帝国で、そういった問題があった話を聞いたことがない。

 今から私がする事は男に媚を売ることではない。

 パレーシア帝国の穴である愚かなクリス皇子との交渉だ。

 私は手を伸ばし、彼の唇に手を添えた。

「ねえ、クリス皇子殿下⋯⋯さっきの、もう1回してください⋯⋯本当はすごく良かったの」
「よく出来たね。私の聖女様」
 
 クリス皇子は満足したような顔をして、私に跨り口づけをしてきた。




 







 
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