双子の悪女の身代わり〜実は私が創世の聖女です〜
21.顔と体だけと私を罵りましたね。
バルトネ国王は私が仕込んだ高級娼婦ナレイラにあっという間に夢中になった。
私は高級娼婦の職業を気持ち悪いと思っていたが、彼女たちは明らかに私にできないことをしている。
そして、バルトネ国王は私の嘘に気がつきつつも、ナレイラの虜になっていた。
(本当に愚かね⋯⋯自分の天命も忘れるなんて)
バルトネ王国は目に見えて傾いて行った。
国のトップが政務会議にも出席せず、女に溺れている。
「アリアドネ! あんたの仕業でしょ!」
「何のことでしょう。頭を使うようにと、王妃殿下からご教授頂いたことです。顔と体だけと私を罵りましたね。でも、私はシャリレーン国の王女です。そのようにに蔑まれる覚えはない! だから、本当に顔と体だけの女を用意して、陛下がどのようになるのか試して見ました」
私は高級娼婦ナレイラを顔と体だけとは、思っていない。
彼女は艶かしい仕草、振る舞いも全て計算し尽くしたもののようだった。
彼女は頭もよく、バルトネ国王を退屈させないだけの会話ができた。
ただ彼女は捨て子で、孤児院で育っていた。
優秀なのに何も自分を助けてくれるものがなくて、女を売って生計を立てていた。
私が仕事を頼んだ半年後、ケントリンが戻ってきた。
男を見るだけで、逃げ出したくなるような気持ちになる私も彼だけは平気だった。
おそらく、彼が感情を表に出さないで淡々と命令を聞いてくれる人だからだ。
私に同情するような表情をされたら、きっと私は一緒にいられなかった。
他の男のように舐め回すように私を見て来られたら卒倒していた。
彼と長くいると、彼が護衛をしている時は何も考えず突っ立っているだけだと分かってくる。
そして、おそらく私が危ない目にあっても助けられるだけの剣術も身につけていない。
でも、彼は絶対に私を裏切らない人だ。
命令すれば、絶対にその通りのことをする。
だから、私は彼がいた方が気持ちが安定する。
「姫様の妹、生きてました」
私は、戻ってくるなり発したケントリンの言葉に違和感を感じた。
私は高級娼婦の職業を気持ち悪いと思っていたが、彼女たちは明らかに私にできないことをしている。
そして、バルトネ国王は私の嘘に気がつきつつも、ナレイラの虜になっていた。
(本当に愚かね⋯⋯自分の天命も忘れるなんて)
バルトネ王国は目に見えて傾いて行った。
国のトップが政務会議にも出席せず、女に溺れている。
「アリアドネ! あんたの仕業でしょ!」
「何のことでしょう。頭を使うようにと、王妃殿下からご教授頂いたことです。顔と体だけと私を罵りましたね。でも、私はシャリレーン国の王女です。そのようにに蔑まれる覚えはない! だから、本当に顔と体だけの女を用意して、陛下がどのようになるのか試して見ました」
私は高級娼婦ナレイラを顔と体だけとは、思っていない。
彼女は艶かしい仕草、振る舞いも全て計算し尽くしたもののようだった。
彼女は頭もよく、バルトネ国王を退屈させないだけの会話ができた。
ただ彼女は捨て子で、孤児院で育っていた。
優秀なのに何も自分を助けてくれるものがなくて、女を売って生計を立てていた。
私が仕事を頼んだ半年後、ケントリンが戻ってきた。
男を見るだけで、逃げ出したくなるような気持ちになる私も彼だけは平気だった。
おそらく、彼が感情を表に出さないで淡々と命令を聞いてくれる人だからだ。
私に同情するような表情をされたら、きっと私は一緒にいられなかった。
他の男のように舐め回すように私を見て来られたら卒倒していた。
彼と長くいると、彼が護衛をしている時は何も考えず突っ立っているだけだと分かってくる。
そして、おそらく私が危ない目にあっても助けられるだけの剣術も身につけていない。
でも、彼は絶対に私を裏切らない人だ。
命令すれば、絶対にその通りのことをする。
だから、私は彼がいた方が気持ちが安定する。
「姫様の妹、生きてました」
私は、戻ってくるなり発したケントリンの言葉に違和感を感じた。