双子の悪女の身代わり〜実は私が創世の聖女です〜
次の日の早朝ケントリンが気まずそうに現れた。
流石に王家に代々引き継がれた指輪の紛失の件を私に報告に来たのだろう。
「ケントリン、最後に城壁周りの湖をまずは探しなさい。それから、これから毎日隙を見て私のところにカリンの様子を報告しにくるのよ」
私の指示にを受け、彼はすぐ城に戻って行った。
私はルイス皇子が用意したホテルの部屋に潜伏していた。
建国祭が終わったら帝国に行くが、それまでは隠れていなければならない。
昨晩、沢山の人に目撃されていている気もするが、みんなカリンばかりを見ていたから認識されていない気もする。
口封じに町の人間を始末することが一瞬頭をよぎった。
(ダメだ⋯⋯やっぱり私おかしくなってるわ⋯⋯)
自分でも無慈悲な発想をする自分が怖くなっていた。
ベリオット皇帝を会話ができるレベルまで回復させる神聖力は残っているかも怪しい。
パレーシア帝国の医師がなす術がないと言っていて、わずかな奇跡に縋るレベルの容態だ。
(魔術⋯⋯魔術でなんとかならないかしら)
エウレパ王国で、魔法使いワイズが私を見た時に「聖女であれば魔術を使えるはずだから、お気をつけください」と陛下に囁いていたのだ。
私は古い魔術書を読んでいて、恐ろしい記述があり思わず本を落とししまった。
拾い上げて、もう1度信じられない魔術の項目を見る。
「時を戻す魔術⋯⋯」
どうやら、聖女は魔力を持った高貴な人間と、神聖力を持った聖女を生贄にして時を戻せるらしい。
恐ろしいこと、どの時点に戻るかが書いていない。
誰が書いたのか知らないが、解釈がわかれる書き方だ。
(不親切な書き方だわ⋯⋯まるで、自分さえ分れば良いメモ書きみたい)
この書き方だと聖女は2人いるようにも読めてしまう。
しかし、おそらく生贄は魔力を持った高貴な人間と、術師である聖女自身だろう。
流石に王家に代々引き継がれた指輪の紛失の件を私に報告に来たのだろう。
「ケントリン、最後に城壁周りの湖をまずは探しなさい。それから、これから毎日隙を見て私のところにカリンの様子を報告しにくるのよ」
私の指示にを受け、彼はすぐ城に戻って行った。
私はルイス皇子が用意したホテルの部屋に潜伏していた。
建国祭が終わったら帝国に行くが、それまでは隠れていなければならない。
昨晩、沢山の人に目撃されていている気もするが、みんなカリンばかりを見ていたから認識されていない気もする。
口封じに町の人間を始末することが一瞬頭をよぎった。
(ダメだ⋯⋯やっぱり私おかしくなってるわ⋯⋯)
自分でも無慈悲な発想をする自分が怖くなっていた。
ベリオット皇帝を会話ができるレベルまで回復させる神聖力は残っているかも怪しい。
パレーシア帝国の医師がなす術がないと言っていて、わずかな奇跡に縋るレベルの容態だ。
(魔術⋯⋯魔術でなんとかならないかしら)
エウレパ王国で、魔法使いワイズが私を見た時に「聖女であれば魔術を使えるはずだから、お気をつけください」と陛下に囁いていたのだ。
私は古い魔術書を読んでいて、恐ろしい記述があり思わず本を落とししまった。
拾い上げて、もう1度信じられない魔術の項目を見る。
「時を戻す魔術⋯⋯」
どうやら、聖女は魔力を持った高貴な人間と、神聖力を持った聖女を生贄にして時を戻せるらしい。
恐ろしいこと、どの時点に戻るかが書いていない。
誰が書いたのか知らないが、解釈がわかれる書き方だ。
(不親切な書き方だわ⋯⋯まるで、自分さえ分れば良いメモ書きみたい)
この書き方だと聖女は2人いるようにも読めてしまう。
しかし、おそらく生贄は魔力を持った高貴な人間と、術師である聖女自身だろう。