君と僕のタイムカプセル
「……え?」
咲は思わず聞き返した。心臓はドクドク鳴っているのに、頭の中は真っ白だ。
蓮は視線をそらさず、まっすぐに言葉を続ける。
「いつも教室の隅で本読んでるお前のこと、最初は変わってるなって思った。でも、誰より真剣に好きなことに打ち込んでるの、俺はちゃんと知ってた。だから……」
「やめて」
気づけば咲は、震える声で遮っていた。
「……咲?」
「どうせ、馬鹿にしてるんでしょ。私がタイムトラベル研究してるの、現実逃避だとか、子どもみたいだとか。……そういうふうに思ってるんでしょ?」
蓮の表情にわずかな影が走る。
「……だって、それは……現実には、できないことだろ?」
その一言に、胸の奥がチクリと痛んだ。
やっぱり。
誰もわかってくれない。私の大事な夢を、笑わない人なんて。
「そういうとこだよ!」
咲は声を荒げた。
「私の好きなものを否定するくせに、“好きだ”なんて言わないで!」
蓮も思わず言い返す。
「否定なんかしてない!現実見ろって言ってるだけだ!」
卒業式の余韻が漂う校庭で、二人の声がぶつかり合った。
告白のはずが、気づけば大喧嘩。
咲の目にじんわり涙がにじむ。
「……もういい」
震える声でそう告げると、咲は背を向けて走り出した。
蓮は呼び止めることもできず、その背中をただ見送るしかなかった。
咲は思わず聞き返した。心臓はドクドク鳴っているのに、頭の中は真っ白だ。
蓮は視線をそらさず、まっすぐに言葉を続ける。
「いつも教室の隅で本読んでるお前のこと、最初は変わってるなって思った。でも、誰より真剣に好きなことに打ち込んでるの、俺はちゃんと知ってた。だから……」
「やめて」
気づけば咲は、震える声で遮っていた。
「……咲?」
「どうせ、馬鹿にしてるんでしょ。私がタイムトラベル研究してるの、現実逃避だとか、子どもみたいだとか。……そういうふうに思ってるんでしょ?」
蓮の表情にわずかな影が走る。
「……だって、それは……現実には、できないことだろ?」
その一言に、胸の奥がチクリと痛んだ。
やっぱり。
誰もわかってくれない。私の大事な夢を、笑わない人なんて。
「そういうとこだよ!」
咲は声を荒げた。
「私の好きなものを否定するくせに、“好きだ”なんて言わないで!」
蓮も思わず言い返す。
「否定なんかしてない!現実見ろって言ってるだけだ!」
卒業式の余韻が漂う校庭で、二人の声がぶつかり合った。
告白のはずが、気づけば大喧嘩。
咲の目にじんわり涙がにじむ。
「……もういい」
震える声でそう告げると、咲は背を向けて走り出した。
蓮は呼び止めることもできず、その背中をただ見送るしかなかった。