贅沢悪女と断罪された私がドレスを脱ぎ捨てた結果。
花瓶にある二本の赤い薔薇を見て苦笑いが溢れた。私は回帰してから反省して質素倹約に努めてきた。今日着用していたウェディングドレスも新たに作ったものではなく、エレーヌ王妃殿下が着たものをリメイクしたものだ。薔薇だって本当は『永遠の愛』を意味する九十九本を用意したかった。でも、節約して用意した二本の薔薇には意味がる。
───『この世界にはあなたと私二人だけ』
愛するオスカーとの幸せな未来だけを願い私はこの二年、このアベラルド王国を豊かにする事に心を砕いて来た。
ゆっくりと燭台に近づくと、蝋燭の赤く灯る火を静かに息を吹きかけて消した。あたり一面に暗闇が訪れる。部屋にはうっすらと銀色の月明かりだけが希望の光のように差し込む。
私はシーツに包まり、今の信じられない状況から目を逸らそうと目を瞑った。
どれくらい時間が経ったか分からない。
静かに扉が静かに開く音と共に愛していたはずの男の声が聞こえた。
「シェリル? もう、寝てしまったのかい?」
頭上からするオスカーの声に私は無視を決め込んだ。すると、彼はするりとシーツをめくって来る。
「はぁ、良かった。今、君を抱く気分じゃなかったんだ」
───『この世界にはあなたと私二人だけ』
愛するオスカーとの幸せな未来だけを願い私はこの二年、このアベラルド王国を豊かにする事に心を砕いて来た。
ゆっくりと燭台に近づくと、蝋燭の赤く灯る火を静かに息を吹きかけて消した。あたり一面に暗闇が訪れる。部屋にはうっすらと銀色の月明かりだけが希望の光のように差し込む。
私はシーツに包まり、今の信じられない状況から目を逸らそうと目を瞑った。
どれくらい時間が経ったか分からない。
静かに扉が静かに開く音と共に愛していたはずの男の声が聞こえた。
「シェリル? もう、寝てしまったのかい?」
頭上からするオスカーの声に私は無視を決め込んだ。すると、彼はするりとシーツをめくって来る。
「はぁ、良かった。今、君を抱く気分じゃなかったんだ」