贅沢悪女と断罪された私がドレスを脱ぎ捨てた結果。
私はそっとそれを足首につけて、ベッドに潜り込んだ。
「⋯⋯助けて、フレデリック」
ただのお守りのようなものに、どんな期待をしているのか自分でも笑いそうになる。フレデリックは友人として明日の結婚披露宴にも参加してくれるが、足首に付いたアンクレットがドレスの裾から覗いたところで何もしないだろう。
♢♢♢
泣き疲れて眠りに落ちて、私は笑い者になるような結婚披露宴の入場扉の前にいた。
気がつけば要るべき場所にいてしまうのは責任感ゆえだろう。誰がいつ私を着替えさせたかも、私には記憶にはない。
ぼんやりとした視界の中にオスカーがいた。
淡いラベンダーの礼服を着た彼が必死に何かを話している。
「シェリル、怪盗が現れると予告があったけれど心配はないよ。警備は万全にしている」
何を言っているのだろう。この貧しい国に奪うものなど何もない。
唯一、奪われたものがあるとしたら私の尊厳だ。愛し尽くして守りたいと思った男の裏切り。この屈辱は一生忘れない。各国の要人を招いた披露宴だから、私が行儀良く彼のパートナーを務めると思ったら大間違いだ。
「オギャー、オギャー」
「⋯⋯助けて、フレデリック」
ただのお守りのようなものに、どんな期待をしているのか自分でも笑いそうになる。フレデリックは友人として明日の結婚披露宴にも参加してくれるが、足首に付いたアンクレットがドレスの裾から覗いたところで何もしないだろう。
♢♢♢
泣き疲れて眠りに落ちて、私は笑い者になるような結婚披露宴の入場扉の前にいた。
気がつけば要るべき場所にいてしまうのは責任感ゆえだろう。誰がいつ私を着替えさせたかも、私には記憶にはない。
ぼんやりとした視界の中にオスカーがいた。
淡いラベンダーの礼服を着た彼が必死に何かを話している。
「シェリル、怪盗が現れると予告があったけれど心配はないよ。警備は万全にしている」
何を言っているのだろう。この貧しい国に奪うものなど何もない。
唯一、奪われたものがあるとしたら私の尊厳だ。愛し尽くして守りたいと思った男の裏切り。この屈辱は一生忘れない。各国の要人を招いた披露宴だから、私が行儀良く彼のパートナーを務めると思ったら大間違いだ。
「オギャー、オギャー」