贅沢悪女と断罪された私がドレスを脱ぎ捨てた結果。
「変な事を言うのね」
「シェリルの真似をしただけだよ。でも、君の悲しみや憂いを全部取り払いたいというのは本当だ。これからは私が君を守るよ」

向かいに座っていたフレデリックが私の隣に来て、ギュっと抱きしめてくれた。私が頑張って来たのは弟、両親、そして何よりも愛するオスカーを守る為。愛し合っていると信じてたのに、彼は他の女と情を交わしていた。

「シェリル、こんな国はもう滅ぼしてしまおう。君に相応しくないよ。まるで、そのドレスみたいに⋯⋯」

私は昨晩、リメイクしたお古のドレスを「恥ずかしい」とオスカーに言われたことを思い出し恥ずかしくなる。

「フレデリック、この国を滅ぼすなら私の両親と弟は助けてね。もう嫌。こんな中古のドレスを、私だって着たくて着た訳じゃないのに!」

一生に一度の結婚式。本当は昨日だって私の為に作ったウェディングドレスを着たかった。今日の披露宴だって皆が注目するから思いっきり着飾りたかった。でも、アベラルド王国の財政を考えてずっと我慢していた。

「じゃあ、脱がせてあげる」

< 67 / 158 >

この作品をシェア

pagetop