贅沢悪女と断罪された私がドレスを脱ぎ捨てた結果。
十二歳の僕は彼女とヘッドリー侯爵邸の庭で二人きりにさせられる。彼女の両親は僕と彼女の婚約を望んでいたようで、期待の視線で僕たちを遠目に見ていた。
キラキラ光る銀髪にルビー色の瞳を持つシェリルは聞いていた以上に目が離せない子だった。
「今日はオスカー王太子殿下が来るから、慌てて鉢植えを注文して庭を綺麗にしたんです」
僕に耳打ちしてくる彼女の声はくすぐったくなるくらい甘かった。
「ヘッドリー侯爵家ご自慢の庭園はいつもは違う顔?」
僕の問い掛けにシェリルはコクコク頷く。
「いつもは寂しい雑草に囲まれてますよ。でも、今、この家には花とかどうでも良くなるくらいの宝物がありますから」
頬を高揚させて夢見る瞳を見せるシェリル。その瞳に僕だけを映したいと思った時には彼女に落ちてた。
「弟が生まれたんです。レナルドは片時も目が離せないくらい可愛い子ですよ。自分の命より大事な存在があると私に教えてくれた子です」
ヘッドリー侯爵家に男の子が生まれた事は噂になっていた。既に高齢なアンリエット夫人が妊娠、出産した事は王国で新聞に載るくらいのニュースだったからだ。
「随分と歳の離れた兄弟だな⋯⋯」
キラキラ光る銀髪にルビー色の瞳を持つシェリルは聞いていた以上に目が離せない子だった。
「今日はオスカー王太子殿下が来るから、慌てて鉢植えを注文して庭を綺麗にしたんです」
僕に耳打ちしてくる彼女の声はくすぐったくなるくらい甘かった。
「ヘッドリー侯爵家ご自慢の庭園はいつもは違う顔?」
僕の問い掛けにシェリルはコクコク頷く。
「いつもは寂しい雑草に囲まれてますよ。でも、今、この家には花とかどうでも良くなるくらいの宝物がありますから」
頬を高揚させて夢見る瞳を見せるシェリル。その瞳に僕だけを映したいと思った時には彼女に落ちてた。
「弟が生まれたんです。レナルドは片時も目が離せないくらい可愛い子ですよ。自分の命より大事な存在があると私に教えてくれた子です」
ヘッドリー侯爵家に男の子が生まれた事は噂になっていた。既に高齢なアンリエット夫人が妊娠、出産した事は王国で新聞に載るくらいのニュースだったからだ。
「随分と歳の離れた兄弟だな⋯⋯」