幼なじみは狐の子。〜幼なじみと転校生の溺愛〜



 その頃、宗介は家に帰って自分の学習机で数学の勉強をしていた。

 美風と恋が二人で教室を出ていったのが気になったが、後でとっちめるから良い、と宗介は思っていた。

 この頃恋が美風とよく喋るのは、宗介にとって頭痛の種だった。

 2人は案外気が合うようで、近頃は教室の隅で、よく何か話をしていた。








 ────なんであんな奴が良いんだ。








 美風に対する嫉妬は、宗介にとって癪の種だった。いつもなら自分が側にいるのに、秘密を知る美風を避けられない。

 恋が自分とだけ喋ってくれればとも思ったが、宗介はその考えを頭から振り払う。やっぱ腹立つ。

 もうそろそろ恋が家に寄る、そう思っていると、玄関の方からチャイムの音がした。

 宗介は恋を迎え入れるため、立ち上がって、部屋を後にした。


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