幼なじみは狐の子。2〜ドキドキの三角関係と異世界ワープ〜
リビングのソファに座って招き入れられ、人の姿に戻った男の子は自己紹介した。
「紹介が遅れてすみません。僕は律、苗字はこの世界では使っていません。元居たところは君たちと同じ所で、住んでた所も多分近いんじゃないかな。
僕はこの世界の魔法監視員をしてます。君たちからするとボスに当たるけど、あんまり形式ばって考えなくて良いですよ。体質がこの世界にぴったりで、魔力の倍掛けが当たって、こっちの世界の役員を特別に頼まれて。向こうの家族には悪いけど、一人で仕事をしてるんです。
あ、あやかし狐なのは向こうの家族みんなです。
魔法のレーダーを使って、いつもあやかし狐居ないかなって探してたんだけど、こっちの世界では珍しいみたい。
恋が来ることは、ちょっと前から分かって、ずっと気にしてたんですよ。
恋に関しては調べました。年は僕の一つ上、好物はキャラメルとキャラメルチョコレート。あと、刺し身も。
趣味は絵を描く事で、嫌いな物は昆虫。恋人が居るのにはがっかりしたけど、そこは差し引いて考えても、僕の良い姉さん狐になる素質がある。
宗介と美風は……」
「彼氏、僕は恋の。」
「僕も準彼、新田さんの。」
「悪いけど、君の姉狐にはちょっと。大事にしてるから。他を当たって貰えるかな?。」
「うーん、そうですか。僕気に入ったもの手放さない質で。よく言われます、がめついって。照れますよね。よろしくお願いします、ね、恋。」
「名前呼び……」
「ここではみんな名前呼びですよ。一応あなたがたのボスなんで。」
会長と律はこの世界について少し話して今日のところはと帰っていった。
帰る前、会長は玄関でこう言い置いた。
「魔法覚醒者さんは、魔法の実践演習が義務になります。地下に広い体育館があって、そこで異世界人さんはみんな練習してるんですよ。落ち着いたら行ってみてください。」
果たしてこれから恋はどうなるのだろうか。