幼なじみは狐の子。3〜その後の逆ハーレム〜
「こういうところで告白って、憧れてたんですよ。」
赤や黃の紅葉を背に律が言った。
「ねえ恋、年下だからって僕のことなめてるでしょ。この間も、その前も、そのその前も、メール、僕にだけ返してくれなかった」
「それは、宗介が……」
「僕納得しませんよ。恋は僕の姉狐だ。上野さんなんか邪魔者でしかない。ねえ恋、」
律が恋の両手首を片手で掴んだ。
ニコっと笑い、そして、恋に徐々に顔を近づけていく。
「年下にこういう風されるの、情けないって思いません?。何でそういう事言うかって言うと、年下だからって、僕のこと全然相手にしてくれないからですよ。それとも狐だからなんですか?。……恋が上野さんの事を想うと考えると、僕は切なくて。僕の言いたいこと、分からないなんて言いませんよね。」
と、そこで後ろから美風の声がした。
「向井!」
「あ、樋山さん」
「何してるんだよ、新田さんに!。いきなり居なくなったかと思ったら。本っ当迷惑。新田さん、大丈夫?。何もされなかった?」
律は恋の手首を離さず、代わりに恋の唇にその勢いでチュ、とキスをした。
「さいてっ」
美風が叫んだ。
「へへ。奪っちゃった。恋、なんとか言ってください」
「……。」
「年下だからって、あんまなめてちゃ駄目ですよ。痛い目見ますよ。……今度からメール返信、ちゃんとする様にね。」
ニコっと笑った律を呆れ顔で見ながら、恋達は公園を一周して、元来た道を戻った。