幼なじみは狐の子。4〜狐の子の思い〜
4黒白王子の握手会
「どうも最近マンネリね……」
新聞部の部室。
いつもの様に宗介と美風の写真を整理していた伊鞠が言った。
伊鞠は宗介の写真の裏には黒、美風写真の裏には白、と鉛筆で書き込む作業の最中だった。
伊鞠の言葉に、隣に座っていた桂香が顔をあげた。
桂香は三角関係についての新しい記事を書いていた所だった。
桂香が呟いた。
「……黒白王子でイベント」
「そうよね、私もそう思ってた。何かここらでパーっとやらないと駄目よ。うーん、何をすればいいかしら。」
「……」
伊鞠は上を向いて、考えをまとめ始めた。
「やることは色々あるわ。盛り上がる企画はいくらでもある。イベントはもちろんだけど、問題は黒白王子が乗ってくれるかどうかよね。」
「……いけず」
「そう、いけずなのよあの2人。絶対に協力しないって言い張るし。どうにかならないかしら。」
「……強行突破」
桂香がぼそりと呟くと伊鞠はパチンと手を打った。
「それが王道ね。そっちの線で考えましょう」