幼なじみは狐の子。4〜狐の子の思い〜
恋は、学校から帰った後、宗介の家に行った。
宗介はリビングで寛いでいた。
恋が入っていくと、宗介はソファから「よ」と片手を上げて挨拶した。
「恋、今日はどうして遅かったの?」
「うーん、理央と喋ってて。すっかり遅くなって。」
「そうなんだ。この頃は平和だよな。新聞部も落ち着いてるし、取材もしないで前のネタを使い回してるみたいだし。結局僕たちの事を書いているのは変わりないけど。どうせだったら今のが良い。気楽で。」
「新聞部の先輩達、多分今頃何か計画してるんじゃないかな?」
「つまんない事言うなよ。せっかくの静かな期間なのに、それが台無し。この期間に僕は羽を伸ばすんだ。加納先輩も石巻先輩も変わり者。変な人達。」
「なんか、あの人たちこの頃は静かで、逆に不安」
「ああ、嵐の前の静けさみたいな?。恋、心配しすぎ。新聞部は、出来ることに限界があるんだから。心配しなくても大丈夫だよ。」
宗介は、テーブルのお茶を一口飲んで、
「大丈夫。お前には僕がついてるんだから。」
と言いながら伸びをした。