幼なじみは狐の子。4〜狐の子の思い〜
10美風とプラネタリウム
二間ある自室の書斎兼寝室になっている方の部屋で、美風は大きな勉強用のデスクに頬杖ついて考え事をしていた。
恋について、美風は準カレだったが、白王子の親衛隊はそれを認めていなくて、毎日やいのやいのと言っている。
一方、黒王子の恋人が恋だという事は、黒白王子のファンクラブの公式で、宗介のファン達の中には、それを応援している者も居た。
────はやく新田さんが自分の恋人だということを公式にしなくては、今に新田さんに被害が及ぶかも知れない。
────いや公式になっても、中にはそれを認めない輩も居るだろう。どっちにしたって駄目だ。
────自分が女の子達に柔らかい態度を取るからなのか、それならそうする事を辞めさえすれば、或いは。
……。
美風はメイドのワゴンを部屋に通すため、立ち上がってドアを開けに行った。