幼なじみは狐の子。5〜親衛隊と恋〜
伊鞠と桂香が倉庫の鍵を取りに行っている間、宗介と美風は先に体育館倉庫に走っていた。
体育館横に建っているこの小さな建物は、頑丈でびくともしない様に思える。
「恋!」
ドアをがんがん叩きながら、宗介が中の恋に呼びかける。
「恋!。僕もう来てるからな!。一緒に居るから!。安心しろよ!。すぐ出してやるから!。」
「新田さん!。僕居るよ!。もう少しだから!。」
「納得いかねえ。畜生。誰がこんな事」
宗介は思い切りドアを蹴り上げた。
伊鞠と桂香の持ってきた鍵が到着すると、美風が受け取って、すぐにドアノブに鍵を差し込んだ。
「恋!」