幼なじみは狐の子。5〜親衛隊と恋〜

 



 伊鞠と桂香が倉庫の鍵を取りに行っている間、宗介と美風は先に体育館倉庫に走っていた。

 体育館横に建っているこの小さな建物は、頑丈でびくともしない様に思える。

 
「恋!」


 ドアをがんがん叩きながら、宗介が中の恋に呼びかける。


「恋!。僕もう来てるからな!。一緒に居るから!。安心しろよ!。すぐ出してやるから!。」

「新田さん!。僕居るよ!。もう少しだから!。」

「納得いかねえ。畜生。誰がこんな事」


 宗介は思い切りドアを蹴り上げた。

 伊鞠と桂香の持ってきた鍵が到着すると、美風が受け取って、すぐにドアノブに鍵を差し込んだ。


「恋!」


 


< 33 / 89 >

この作品をシェア

pagetop