幼なじみは狐の子。5〜親衛隊と恋〜





 料理教室は大きな公園を通り過ぎた所にあるモダンなデザインの新しい公民館で行われていた。

 自転車を停めて恋と理央が入っていくと、ホールには新聞部の伊鞠と桂香が居た。


「先輩。奇遇ですね。もしかして恋を撮りに来たんですか?」


 クラブや同好会のビラの沢山張ってある公民館の大きな掲示板を背に理央が聞くと、伊鞠と桂香は頷いた。


「駒井さん、その通り。今度姫も特集するから、その1面記事の取材に来たのよ。」

「……料理教室に電話」

「そう、教室の先生に取材許可取ったのよね。今日は私達は料理はしないわ。写真撮るためにカメラ持ってきたの。教室の感想も取材しますからね。」


 理央が首を傾げて聞いた。


「加納先輩も石巻先輩も料理は好きな方ですか?」

「食べるのは好きよ。」

「……いや」


 恋達は階段をあがって2階の料理教室クラスに向かった。


 


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