幼なじみは狐の子。5〜親衛隊と恋〜

 




 クッキーはちょっと焼きすぎてしまったがおいしいものができた。
 その場で食べると、伊鞠がカメラを向けて来たので、恋はピースサインをしてクッキーを食べる写真を撮られた。
  
 小袋に入った出来立てのクッキーを鞄に入れて、教室を出ると、恋と理央は自転車で道路を走った。


「クッキー成功したね。初めてにしては上出来じゃない?」

 赤信号で自転車を降りながら、理央が口を開いた。

「美味しくできたよね」

「今度はケーキか。ふうむ、ケーキだとみんなで食べれるな。」


 理央が言った。


「そうだ、今度のケーキで、上野くんと樋山くんを呼んでパーティーしようよ。」

「パーティー?」

「デコレーションケーキにしようよ。生クリーム沢山使って。みんなで食べた方が楽しいよ。」


 恋は頷いて、鞄に入っているクッキーの味を思った。






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