幼なじみは狐の子。5〜親衛隊と恋〜
20分休み。
恋の席には理央が来ていた。
「恋、親衛隊の規約知ってる?」
理央が聞いた。
「1黒白王子を愛でる。
2黒白王子を愛する。
3黒白王子を好きだと思う。」
「知らない。なにそれ」
「なんか第10章まであるんだ。隊の守るべき掟なんだって。」
「ふーん」
「新田さん、親衛隊の事、あんま気にしない方が良いよ」
斜め前の席に居た美風が呆れ顔で会話に加わった。
「僕座談会の時規約朗読された。馬鹿もほどほどにしないとどっと疲れてくる。」
「大事な掟なんだろうね。」
「親衛隊って、結構系統立ってる。隊員規約もあるし、隊の歌も作ろうって話で最近盛り上がってる。白熱してるよね。」
「どうでもいいけど。新田さんも駒井も、親衛隊には関わらない様にね。」
そう言ってから美風は話を変えた。
「そうそう、そろそろ5月だから、夏の天体観測をしようって思ってるんだけど、新田さんも駒井も一緒にどう?」
「天体観測?」
「うちに精度の良い望遠鏡があるんだ。毎年1人でやってる。僕星見るの好きなんだ。普通は夏か冬だけど、何でもない時に見る星も綺麗だよ。」
「良いね、行きたい。星と樋山くんってイメージ合うね、ロマンチックで。恋も行くでしょう?」
「宗介が……」
「上野も連れて来れば。邪魔ではあるけど。新田さんが来てくれるなら良いよ。」
「賛成!。みんなで星見よ。」
「今度の日曜用意しておくから。僕の家のバルコニーで。持ち物は特にはないよ。夕飯出すから楽な格好して来て。」
「星かあ。」
話しながら、恋は星空を想像して頷いた。