ほっとけないよ
ゆるキャラと仲良くなりたい。
ヤマシロくんと過ごす日々は、おどろきの連続だ。

ある夕焼けの光あふれるひやりと寒い放課後、
ヤマシロくんと連れ立って街を歩いていた。
俺は一方的に彼に話しかけ続け、彼は聞いているんだかいないんだか、幽霊のようにふらふら歩いていた。倒れない?

「ヤマシロくん、何か食べて帰らない?」
「……」
「ねぇ、ヤマシロくん」
もしかして、歩きながら寝てる?

「あっ!!」

今、
誰かが大声で叫んだ。

「え?」
俺がきょとん、としている間に、
彼は、
ゆるやかな風に溶けるようにいなくなっていた -
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